子どもの進学費用が不安

進学費用の不安は、ひとり親の悩みの中でもとりわけ重いもの。でも、高校・大学の学費支援はこの数年で大きく拡充されています。「お金がないから」とあきらめてしまう前に、使える制度を一緒に確認してみましょう。
- 2026年度から高校授業料は所得制限なしで実質無償になりました
- 大学・専門学校は「給付型奨学金+授業料減免」があり、高3春の予約採用が基本ルートです
- 足りない分は民間ローンより先に、無利子の母子父子寡婦福祉資金を検討してください
高校:授業料は実質無償+奨学給付金
2026年度から所得制限が撤廃されて、公立(年11.9万円)・私立(上限45.7万円)とも授業料が実質無償化されましたよ。さらに、教科書代・教材費をカバーする「高校生等奨学給付金」も年収約490万円までの世帯に拡大されています。どちらも学校経由での申請が必要なので、入学時のプリントを見逃さないようにしてくださいね。
大学・専門学校:給付型奨学金+授業料減免
住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯なら、返さなくてよい給付型奨学金と、入学金・授業料の減免をセットで受けられるんです(私立大なら最大で入学金約26万円+授業料約70万円の減免!)。ひとり親家庭の多くが対象に入りますよ。高校3年の春に申し込む「予約採用」が基本ルートなので、高2の終わりから準備を始めておきましょうね。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高2の冬〜高3の春 | 学校からJASSO予約採用の案内を受け取る |
| 高3の4〜6月 | 予約採用に申込(マイナンバー提出・ネット申請) |
| 高3の10〜12月 | 採用候補者決定通知が届く |
| 合格後 | 入学金の納付(貸付や減免の手続きはこの前に!) |
| 入学後 | 進学届を提出して給付開始 |
足りない分は無利子の公的貸付で
それでも足りない分は、母子父子寡婦福祉資金の修学資金(月最大9.6万円)・就学支度資金(最大59万円)が無利子で借りられます。民間の教育ローンより先に、必ずこちらを検討してくださいね。審査に1〜2か月かかるので、進学が決まったら早めに相談するのがポイントです。
「実際いくらかかる?」進学費用の全体像
不安の正体って「総額が見えないこと」だったりしませんか? ざっくりでも全体像をつかむと、「支援でカバーできる部分」と「自分で備える部分」が分けられて、気持ちが少し楽になりますよ。以下は私立大学(自宅通学)の一例です。国公立ならこの6〜7割、専門学校は2年間でおよそ200〜300万円が目安です。
| 費目 | 金額の目安 | 使える支援 |
|---|---|---|
| 受験料(3〜5校) | 10〜20万円 | 受験生チャレンジ支援貸付(東京都等) |
| 入学金 | 約25万円 | 修学支援新制度で最大26万円免除 |
| 授業料(年間) | 約90〜100万円 | 同・最大70万円減免+給付型奨学金 |
| 教科書・通学など(年間) | 20〜30万円 | 給付型奨学金(自宅生 年約46万円) |
| どうしても不足する分 | ― | 母子父子寡婦福祉資金(無利子)・第一種奨学金 |
小中学生のうちは就学援助を
お子さんがまだ小中学生なら、就学援助を忘れずに申請しておきましょうね。学用品費・給食費・修学旅行費などが支援されて、ひとり親世帯の多くが対象です。入学準備金(約6万円)は入学前の2〜3月に前倒し支給する自治体が増えていますよ。毎年度申請が必要なので、4月のプリントを見逃さないようにしてくださいね。
よくある質問
塾代の支援はありますか?
自治体によっては、受験生チャレンジ支援貸付(東京都・塾代や受験料を無利子で貸付、合格すると返済免除)のような制度があります。お住まいの自治体名と「塾代 支援」で検索するか、ひとり親支援窓口で聞いてみてください。
児童扶養手当は子どもが18歳になったら終わりですか?
はい、18歳になった後最初の3月31日(高校卒業のタイミング)で支給が終わります。大学進学後は手当がなくなる前提で、給付型奨学金や授業料減免を組み合わせた資金計画を立てておくことが大切です。
母子父子寡婦福祉資金と日本学生支援機構の奨学金は併用できますか?
原則として同じ目的での重複借入はできませんが、給付型奨学金+授業料減免を受けた上で、不足分を福祉資金で補うといった組み合わせは可能です。窓口で資金計画を相談してみてください。
貯金がほとんどありません。それでも大学に行かせられますか?
住民税非課税世帯なら、給付型奨学金+授業料減免で学費の大部分がカバーされ、不足分は無利子の貸付で補えます。「貯金がないから無理」とあきらめる前に、高2までに一度、支援の組み合わせを試算してみてください。AIこはる相談でも一緒に整理できますよ。
養育費で進学費用を上乗せしてもらえますか?
進学時の学費は「特別費用」として、取り決めた養育費とは別に分担を求められる場合があります。公正証書や調停で「進学費用は別途協議」の条項を入れておくと請求しやすくなります。詳しくは姉妹サイト「養育費請求ナビ」をご覧ください。
「私の場合はどうなる?」モデルケース
高校進学のMさん(公立高校・住民税非課税世帯)
状況: 子どもが中3。公立高校に進学予定だが、入学金・制服・教科書代が心配。
結果: 高等学校等就学支援金で授業料は実質無料。奨学給付金(年32,300円〜152,000円)で教科書・教材費をカバー。入学準備金は母子福祉資金(就学支度資金16万円)で対応。実質的な自己負担は制服代の一部のみ。
💡 公立高校なら「授業料無料+奨学給付金+貸付」の3点セットでほぼ自己負担なしにできます。
大学進学のNさん(私立大学・第I区分)
状況: 子どもが私立大学を希望。4年間で400万円以上かかると聞いて絶望的。
結果: 給付型奨学金(年約91万円)+授業料減免(年約70万円)で年間161万円の支援。4年間で644万円。私立大学の学費(年約120万円)を大幅に上回り、生活費にも充てられる。
💡 住民税非課税世帯(第I区分)なら、私立大学でも「学費+生活費」がほぼ全額カバーされます。「お金がないから大学は無理」は過去の話です。
知らないと損する落とし穴
入学金の支払い期限に奨学金が間に合わなかった
Oさんの子は2月に合格したが、入学金30万円の期限は2週間後。給付型奨学金の振込は入学後の5月。手元にお金がなく、入学を辞退しかけた。
✅ 対策: 入学金は「母子福祉資金の就学支度資金」で先に借りて支払い、奨学金が入ったら返済に充てる方法があります。合格前に窓口に相談しておくのが鉄則。
「うちは無理」と親が思い込んで子どもに伝えなかった
Pさんは「大学は金持ちが行くところ」と思い込み、子どもに進学の話をしなかった。子どもは本当は大学に行きたかったが、親に遠慮して言い出せなかった。
✅ 対策: 住民税非課税世帯なら学費+生活費がほぼ全額支援されます。まず制度を知り、子どもと一緒に選択肢を考えてください。
やることチェックリスト
- ☐中3の秋:高校の就学支援金・奨学給付金の案内を確認
- ☐高3の4月:給付型奨学金の予約採用の案内を学校からもらう
- ☐高3の5月:予約採用に申し込む(締切厳守)
- △合格前:入学金の準備方法を窓口に相談(母子福祉資金)(該当する方のみ)
- ☐入学後すぐ:「進学届」を提出して奨学金の振込を開始
☐=全員必要 △=該当する方のみ
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