離婚前の準備ガイド — いま何をすべきか

離婚を考え始めたけれど、何から手をつければいいかわからない——そんな状態は当然です。感情と手続きが入り混じる時期だからこそ、「いつ・何を・どの順番で」を整理しておくと、あとで後悔しにくくなります。
- 離婚届を出す前に証拠(浮気・DV)を集めるのが鉄則です。出した後では相手が隠す・消すリスクが高まります
- 養育費は口約束ではなく「公正証書(強制執行認諾文言付き)」で取り決めると、未払い時に給与差押えが可能です
- 財産分与は「別居時点」の財産が基準になるため、別居前に預金・保険・年金の全体像を把握しておくことが重要です
離婚後の生活費をシミュレーションする
まず「離婚後、毎月いくら必要で、いくら入ってくるか」を紙に書き出します。家賃・光熱費・食費・保育料・保険料・通信費・子どもの習い事など支出を洗い出し、収入は給与+児童扶養手当+児童手当+養育費(見込み)で計算します。
| 支出項目 | 目安(子ども1人) | 備考 |
|---|---|---|
| 家賃 | 5〜8万円 | 公営住宅なら2〜4万円 |
| 食費 | 3〜4万円 | 子どもの年齢で変動 |
| 光熱費・通信費 | 1.5〜2万円 | 格安スマホで削減 |
| 保育料 | 0〜3万円 | 3歳以上は無償化 |
| 合計目安 | 11〜18万円/月 | 住居費で大きく変わる |
証拠を集める(離婚届を出す前に)
浮気やDVの証拠は、離婚届を出す前に集めるのが鉄則です。浮気の証拠はLINEのスクリーンショット(日付入り)、ホテルのレシート、クレジットカード明細など。DVの証拠は診断書、あざの写真(日付入り)、暴言の録音、警察への相談記録です。
| 証拠の種類 | 集め方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 浮気のLINE | スクリーンショット(日付表示) | 相手のスマホを勝手に見ると違法の場合あり |
| DVの診断書 | 病院で「配偶者から暴力」と伝えて受診 | 受診日が暴力の日に近いほど有効 |
| 財産の証拠 | 通帳コピー・保険証券・不動産登記 | 別居前に写真を撮っておく |
| 暴言の録音 | スマホの録音アプリ | 自分の家の中での録音は合法 |
養育費を公正証書で取り決める
養育費は「毎月○万円を○歳まで支払う」と口約束するだけでは、相手が支払いを止めたときに強制できません。公正証書(強制執行認諾文言付き)を作成しておけば、未払い時に裁判なしで相手の給与を差し押さえることができます。
| 取り決め方法 | 強制力 | 費用 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 口約束 | なし | 0円 | × |
| 離婚協議書(私文書) | 裁判が必要 | 0〜数千円 | △ |
| 公正証書(強制執行認諾) | 給与差押え可能 | 1〜3万円 | ◎ |
| 調停調書 | 給与差押え可能 | 数千円 | ◎ |
住まいと仕事の目処を立てる
離婚後の住まいは①実家に戻る(家賃ゼロだが祖父母の所得で手当が止まる可能性)、②賃貸を借りる(自由だが初期費用が必要)、③公営住宅に申し込む(家賃が安いが抽選・待機あり)の3択です。
よくある質問
離婚の準備にどのくらいの期間が必要ですか?
一般的に3か月〜1年程度です。証拠集め・財産把握・住まい確保・仕事探しを並行して進めます。
専業主婦で貯金がなくても離婚できますか?
できます。別居中は婚姻費用(生活費)を相手に請求する法的権利があります。法テラスを利用すれば弁護士費用の立替制度も使えます。
子どもに離婚をどう伝えればいいですか?
「パパとママは別々に暮らすことにしたけど、あなたのことは二人とも大好きだよ」と、子どもの年齢に合わせてシンプルに伝えるのが基本です。
弁護士に依頼すべきですか?
相手が話し合いに応じない、DVがある、財産が複雑な場合は弁護士への依頼をおすすめします。法テラスの無料相談を利用すれば、まず相談だけでも可能です。
「私の場合はどうなる?」モデルケース
Aさん(32歳・パート・子ども2人)
状況: 夫の浮気が発覚。証拠のLINEを保存し、3か月かけて財産を把握。公正証書で養育費月6万円を取り決めてから離婚届を提出。
結果: 離婚翌月から児童扶養手当+児童手当+養育費で月18万円の収入を確保。
💡 「証拠→財産把握→公正証書→離婚届」の順番を守ったことで、養育費の未払いリスクを最小化できた
知らないと損する落とし穴
口約束の養育費は8割が未払いになる
Cさんは「毎月5万円払う」と口約束で離婚。最初の半年は振り込まれたが、その後完全に止まった。公正証書がないため強制執行ができなかった。
✅ 対策: 離婚届を出す前に、必ず公正証書(強制執行認諾文言付き)を作成する。費用は1〜3万円で、将来の数百万円を守れる
やることチェックリスト
- ☐離婚後の月々の収支をシミュレーションした
- △浮気・DVの証拠を複数バックアップした(該当する方のみ)
- ☐相手の預金口座(銀行名・支店)を把握した
- ☐養育費の金額と期間を決めた
- ☐公正証書を作成した
- ☐離婚後の住まいの目処を立てた
☐=全員必要 △=該当する方のみ
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