ひとり親控除・税金の軽減
年末調整のチェック1つで、税金が年数万円変わる

ひとり親は、所得税で35万円・住民税で30万円の「ひとり親控除」を受けられます。未婚のひとり親や父子家庭も対象です。さらに、合計所得135万円以下なら住民税そのものが非課税になります。
- 所得税35万円・住民税30万円の控除で、年間およそ6.5万円の税負担が軽くなります(税率10%の場合)
- 年末調整の「ひとり親」欄にチェックひとつ。未婚のひとり親・父子家庭も対象です
- 申告し忘れても5年以内ならさかのぼって還付を受けられます
制度のポイント(早見表)
- 支援内容・金額
- 所得税:35万円控除 / 住民税:30万円控除(税率10%の方で合計約6.5万円の軽減効果)
- 対象となる方
- 婚姻していない(未婚・離婚・死別)ひとり親で、生計を同じくする子がいて、本人の合計所得が500万円以下の方
- 所得制限
- 本人の合計所得金額500万円以下(給与収入のみなら年収約678万円以下)
- 申請方法
- 会社員は年末調整の「扶養控除等申告書」のひとり親欄にチェック。自営業・フリーランスは確定申告で申告
- 相談窓口
- 勤務先(年末調整)または税務署(確定申告)
ひとり親控除と寡婦控除の違い
似た制度に「寡婦控除」(27万円)がありますが、両方に当てはまる場合は金額の大きいひとり親控除が優先されます。ひとり親控除は男女問わず、未婚の方も対象になったのが大きな特徴です。
| 項目 | ひとり親控除 | 寡婦控除 |
|---|---|---|
| 控除額(所得税) | 35万円 | 27万円 |
| 対象 | 男女とも・未婚もOK | 女性のみ・離婚/死別 |
| 子の要件 | 生計を一にする子が必要 | 離婚は扶養親族が必要 |
実際、いくら安くなる? — 年収別の目安
ひとり親控除による軽減額は「所得税35万円×あなたの税率+住民税30万円×10%」で計算できます。多くのひとり親の方の所得税率は5%または10%なので、年間およそ4.8万〜6.5万円の軽減です。毎月に直せば4,000〜5,400円。チェック欄ひとつの効果としては、かなり大きいと思いませんか。
| 年収(給与のみ) | 所得税の軽減 | 住民税の軽減 | 年間合計 |
|---|---|---|---|
| 200万円 | 17,500円(税率5%) | 30,000円 | 約47,500円 |
| 300万円 | 17,500円(税率5%) | 30,000円 | 約47,500円 |
| 400万円 | 35,000円(税率10%) | 30,000円 | 約65,000円 |
| 500万円 | 70,000円(税率20%) | 30,000円 | 約100,000円 |
年末調整の書き方 — チェックはここ
会社員・パートの方は、毎年秋〜冬に勤務先へ提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の中に「ひとり親」のチェック欄があります(C欄・障害者等の欄の並び)。ここに丸をつけるだけで、翌年の給与から天引きされる税金が自動的に安くなります。書類の名前が難しいですが、勤務先から「年末調整の書類です」と渡されるあの紙のことです。書き方がわからなければ、経理担当の方に「ひとり親控除を受けたい」と伝えれば大丈夫。なお、勤務先に離婚を知られたくない場合は、年末調整では申告せずに、自分で確定申告(還付申告)をする方法もあります。
年収204万円未満なら住民税そのものが0円に
ひとり親・寡婦の方は、合計所得135万円以下(給与収入のみなら年収約204万円未満)だと、住民税が非課税になります。これは控除よりさらに強力で、住民税(年10万円前後)がまるごとかからなくなるうえ、「住民税非課税世帯」として医療費助成の自己負担ゼロ、大学の給付型奨学金の満額支援、各種給付金の対象など、多くの制度で最優遇の区分に入ります。年収がこのラインの前後の方は、働き方を考えるうえでも知っておきたい基準です。
国民健康保険・国民年金も忘れずに
離婚して国民健康保険に入った方は、保険料が前年の所得で計算されるため、離婚1年目は思ったより高くて驚くことがあります。所得が一定以下なら均等割が2〜7割自動軽減されるほか、失業や所得急減の場合は申請による減免もあります。国民年金は、申請すれば全額〜4分の1の免除が受けられ、免除期間も受給資格期間に算入されます。「払えないから放置」がいちばん損(未納は障害年金も受け取れなくなるリスク)なので、苦しいときは必ず免除申請をしてください。
知っておきたい注意点
- 事実婚のパートナーがいる場合(住民票に「未届の夫/妻」の記載)は対象外です
- 申告し忘れた分は5年以内ならさかのぼって還付を受けられます
- ひとり親・寡婦は合計所得135万円以下(年収約204万円未満)で住民税が非課税になります
- 国民健康保険料・国民年金保険料にも所得に応じた減免制度があります
よくある質問
過去の分を申告し忘れていました。どうすればいいですか?
5年以内であれば「還付申告」でさかのぼって受けられます。税務署に行くか、e-Taxでその年分の確定申告(還付申告)をするだけです。数年分まとめると10万円以上戻るケースもあります。
住民税非課税になると、何がお得なのですか?
住民税がかからないこと自体に加えて、医療費助成の自己負担がなくなったり、大学の修学支援(給付奨学金)で満額支援の対象になったりと、多くの制度で「非課税世帯」向けの優遇が受けられます。ひとり親は合計所得135万円以下(年収約204万円未満)で非課税になります。
国民健康保険料や年金も安くなりますか?
はい。国民健康保険料は所得に応じて自動的に軽減され(申請不要の場合が多い)、国民年金は申請により全額〜4分の1の免除を受けられます。免除を受けても、将来の年金の受給資格期間には算入されます。
養育費を受け取っていると、ひとり親控除は使えませんか?
使えます。養育費は税法上の所得ではないので、控除の所得要件(合計所得500万円以下)にも影響しません。なお逆に、あなたが養育費を「支払う側」の場合も、子と生計を一にしていると認められれば控除対象になることがあります。
恋人と同棲していますが対象になりますか?
住民票に「未届の夫(妻)」と記載されている事実婚の場合は対象外です。記載のない交際であれば法律上は対象ですが、実態として生計を共にしている場合の扱いは複雑なので、税務署に確認するのが安全です。
パートで年収103万円以下でも申告する意味はありますか?
所得税がもともと0円なら所得税分の効果はありませんが、住民税の非課税判定などで有利に働く場合があります。また収入が増えたときに申告漏れを防ぐためにも、該当する年は毎年チェックしておく習慣をおすすめします。
※ 制度内容は2026年7月時点の情報です。金額や要件は改定される場合があります。申請前に必ず公式窓口でご確認ください。
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※こちらでの解説は一般的な内容であり、個別のケースへの助言ではありません。具体的な判断に迷うときは、必ずお住まいの自治体窓口や専門家にご相談ください。