ひとり親家庭等医療費助成(マル親)
親も子も。医療費の自己負担を大きく軽減

ひとり親家庭の親と子ども(18歳年度末まで)の医療費の自己負担分を自治体が助成する制度です。内容は自治体によって異なりますが、住民税非課税世帯では自己負担なしになる地域が多くあります。
- お子さんだけでなく、親であるあなた自身の医療費も助成される制度です
- 内容は自治体で大きく異なります。東京都は非課税世帯なら自己負担0円、大阪市は1日最大500円方式など、必ずお住まいの自治体で確認を
- 「医療証」がないと窓口でいったん全額負担になるため、児童扶養手当と同時に早めの申請が大切です
制度のポイント(早見表)
- 支援内容・金額
- 医療費の自己負担分を助成(例:東京都では住民税非課税世帯は自己負担0円、課税世帯は1割負担・通院月18,000円上限)
- 対象となる方
- ひとり親家庭の母または父と、18歳年度末まで(障害がある場合は20歳未満)の児童
- 所得制限
- 所得制限あり(児童扶養手当に準じる自治体が多い)。生活保護受給中の方は対象外
- 申請方法
- 市区町村の窓口で「医療証」の交付を申請。児童扶養手当の申請と同時に手続きするのが一般的
- 相談窓口
- 市区町村の医療費助成担当窓口
どのくらい安くなる?(東京都の例)
東京都の「マル親」の場合、住民税非課税世帯は入院・通院とも自己負担がありません。課税世帯でも負担は1割で、1か月あたりの上限額が設けられています。上限を超えて支払った分は、後日申請すれば払い戻し(高額医療費の支給)を受けられます。通院の自己負担には年間144,000円の上限もあり、入院が続いて過去12か月に3回以上上限に達した場合は、4回目から上限が44,400円に下がる「多数回該当」の仕組みもあります。
| 世帯区分 | 負担割合 | 上限額(月) |
|---|---|---|
| 住民税非課税世帯 | 自己負担なし | ― |
| 住民税課税世帯(通院) | 1割 | 18,000円(年間上限144,000円) |
| 住民税課税世帯(入院) | 1割 | 57,600円(多数回該当44,400円) |
自治体によって仕組みがまったく違う
この制度は都道府県ごとに設計され、市区町村が窓口となるため、お住まいの地域によって負担のルールが大きく異なります。例えば大阪市では「1つの医療機関ごとに1日最大500円・月2日まで(3日目以降は負担なし)、月の負担は最大2,500円、院外薬局は負担なし、入院時の食事代も助成」という方式で、東京都の1割負担方式とはまったく違います。「ネットで調べた情報と窓口の説明が違う」と感じたら、それは自治体差によるものです。最終的には必ずお住まいの市区町村の案内で確認してください。
| 東京都(マル親) | 大阪市 | |
|---|---|---|
| 負担方式 | 1割負担+月額上限 | 1医療機関1日最大500円(月2日まで) |
| 月の負担上限 | 通院18,000円/入院57,600円 | 最大2,500円 |
| 薬局(院外処方) | 1割負担に含む | 負担なし |
| 入院時の食事代 | 助成なし(自治体による) | 助成あり |
所得制限 — 児童扶養手当が「一部支給」の方はほぼ対象
所得制限は児童扶養手当の一部支給の基準とほぼ同じ水準に設定している自治体が多く(大阪市の例: 扶養1人で所得246万円未満=収入めやす約385万円)、児童扶養手当を少しでも受給できている方なら、医療費助成もほぼ対象になると考えて大丈夫です。所得の計算方法も児童扶養手当と同じで、受け取っている養育費の8割が加算されます。また、同居している祖父母など扶養義務者の所得制限(扶養1人で274万円未満など)もある点も共通です。
申請の流れと必要なもの
お住まいの市区町村の窓口で「医療証」の交付を申請します。児童扶養手当を受給中(申請中)の方は児童扶養手当証書を持参すれば戸籍謄本を省略できる自治体が多く、手当の申請と同じ日にまとめて手続きするのが定番です。必要なものは、マイナ保険証などの保険資格情報がわかるもの、児童扶養手当証書(または戸籍謄本)、マイナンバーのわかるもの、本人確認書類です。審査対象の所得は、1〜9月の申請なら前々年、10〜12月なら前年のものになります。医療証が届いたら、受診時にマイナ保険証と一緒に窓口へ提示するだけで助成が受けられます。
知っておきたい注意点
- 自治体により名称・内容・所得制限が異なります
- 医療証がないと窓口でいったん全額自己負担になるため、早めの申請が大切です
- 健康診断・予防接種など保険適用外のものは対象外です
「私の場合はどうなる?」— モデルケースで見てみましょう
具体的な状況を想定して、制度がどう使えるかを計算しました。
ケース1: パート年収200万円・子ども1人のGさん(東京都)
状況: 離婚して児童扶養手当を全額受給中。子どもが風邪で月2回通院し、自分も歯医者に通っている。
結果: 住民税非課税世帯のため、親子とも自己負担0円。子どもの通院2回(本来3割負担で約3,000円)も、自分の歯科(本来約5,000円)もすべて無料。年間で数万円の節約に。
ケース2: パート年収300万円・子ども2人のHさん(東京都)
状況: 住民税課税世帯。子どもの入院(10日間)で医療費が高額に。
結果: 課税世帯でも自己負担は1割。入院の月額上限は57,600円で、それ以上は払い戻し。本来の3割負担なら約17万円のところ、実際の負担は57,600円。約11万円の軽減。
知らないと損する落とし穴
「知らなかった」で損をした実例と、その対策をまとめました。
落とし穴1: 医療証の申請が遅れ、2か月分を自費で払った
離婚後、児童扶養手当は申請したが医療費助成の存在を知らなかったIさん。2か月後に窓口で教えてもらい申請したが、その間の通院3回分(約8,000円)は自費のまま。
落とし穴2: 県外の病院で医療証が使えず、払い戻し申請を忘れた
帰省中に子どもが発熱し県外の病院を受診したJさん。医療証は県内限定で使えず全額自己負担。払い戻し申請ができることを知らず、そのまま数千円を損した。
申請前チェックリスト
- 必須マイナ保険証など保険資格情報がわかるもの
- 状況による児童扶養手当証書(受給中の場合)
- 状況による戸籍謄本(児童扶養手当証書がない場合)
- 必須マイナンバーのわかるもの
- 必須本人確認書類(運転免許証など)
- 必須振込先口座情報(償還払い用)
よくある質問
医療証を忘れて全額払ってしまいました。戻ってきますか?
はい。後日、領収書を添えて自治体に申請すれば、助成分の払い戻し(償還払い)を受けられるのが一般的です。医療証の申請から交付までの間に受診した分も同様に払い戻せます。領収書は必ず保管しておいてくださいね。
県外の病院を受診した場合も使えますか?
医療証が使えるのは原則として発行された都道府県内です。県外受診の場合はいったん自己負担し、後日払い戻しを申請する形になります。旅行や帰省の際の領収書も捨てずに取っておいてください。
子どもの医療費助成(マル乳・マル子)とはどう違いますか?
子ども医療費助成はすべての家庭の子どもが対象ですが、ひとり親医療費助成(マル親)は親自身も対象になる点が大きな違いです。医療証は1人1枚のため、お子さんはどちらか一方の医療証を持つことになります。どちらが有利かは自治体の制度によるので、申請時に窓口で相談してください。
健康保険に入っていなくても使えますか?
使えません。この制度は医療保険の自己負担分を助成する仕組みのため、国民健康保険や健康保険への加入が前提です。離婚して元配偶者の扶養から抜けた方は、まず国保加入(または勤務先の社保加入)の手続きを済ませてから申請してください。
健康診断や予防接種、差額ベッド代にも使えますか?
使えません。対象は保険診療が適用される医療費のみで、健康診断・予防接種・薬の容器代・差額ベッド代・紹介状なしの大病院受診時の選定療養費などは対象外です。
医療証の更新は必要ですか?
はい、毎年更新があります(東京都は1月1日更新、10〜11月頃に現況届の案内が届く自治体が多いです)。児童扶養手当の現況届(8月)とは別の手続きなので、案内が届いたら忘れずに提出してください。住所・保険・世帯構成が変わったときも届出が必要です。
※ 制度内容は2026年7月時点の情報です。金額や要件は改定される場合があります。申請前に必ず公式窓口でご確認ください。
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※こちらでの解説は一般的な内容であり、個別のケースへの助言ではありません。具体的な判断に迷うときは、必ずお住まいの自治体窓口や専門家にご相談ください。